国際ブランドのクレジットカードであれば、発行した国に関わらず世界中の国や地域で使うことができます。
そのため事業者は、海外から訪れたユーザーのクレジットカードでも問題なく決済することが可能です。
しかし、世界中で共用できるのは何故なのでしょうか。

本記事では、クレジットカードのビジネスモデルとセーフティネット、クレジットカードが世界中で共用できる理由についてご紹介します。

国際ブランドのビジネスモデルとセーフティネット

日本でのクレジットカード決済は、一般的に一括後払いとなっています。
カード会社ごとに締め日が設定されていますが、1ヶ月分の利用金額をまとめて口座振替で支払います。
一括払いの場合は、ユーザーに手数料は発生しません。
たとえば、毎月15日が締め日で、翌月10日に口座振替で支払う場合、前月16〜当月15日分の利用金額を翌月10日に支払うサイクルになります。
また、近年では口座振替ではなく、コンビニエンスストア払いなどを利用できるケースもあります。

加盟店には、原則、加盟店手数料を差し引いた金額が支払われます。
手数料はブランドや加盟店契約会社によっても異なります。

クレジットカードのセーフティネットとは

主要な国際ブランドでは、もし加盟店契約会社が倒産して、加盟店にカードの取扱代金を支払えない事態が発生しても大丈夫なようにセーフティネットを設定しています。
加盟店契約会社が倒産しても、ブランドの信頼性に影響するとブランド会社が判断した場合、カードの取扱代金を加盟店に支払います。

たとえば、1997年に北海道拓殖銀行が破綻したケースが挙げられます。
北海道拓殖銀行系列のクレジットカード会社「HCB」も同時に破綻したことで、加盟店に代金が支払われるかが問題になりました。
しかし、この時はJCBがHCBを子会社化し、加盟店支払い用の利用代金が加盟店に支払われました。
これにより、JCBブランドの信頼性が損なわれることがありませんでした。
このようなセーフティネットなどの仕組みがあることで、ユーザーのみならず加盟店側も安心して利用できるようになっています。

クレジットカードが世界中で共用できるのは何故か

国際ブランドのクレジットカードは、どの国で発行しても加盟店であればどの国でも利用することが可能です。
たとえば、多くの国でユーザーや加盟店を獲得しているVisaとMastercardは、世界中の金融機関にカード発行会社としてカードを発行する権利を供与しています。
さらに加盟店契約会社として加盟店を獲得する権利を供与し、会員と加盟店数を拡大しています。

こうして、世界中をつなぐネットワークを作り上げました。
このネットワークにより、ブランド会社は複数存在するカード発行会社と加盟店契約会社の間で、データのやり取りや精算が行えるネットワーク会社となったのです。
ネットワーク会社として、データの仕様やカードの仕様を国際規格に則って決定し、それに準拠したカードを発行することで、世界中で使えるサービスが実現しました。

国際規格のシステム

VisaやMastercardだけでなく、JCBやAmerican Express、Diners Clubなどの複数のブランドも同じ1台の端末で決済することが可能です。
これは国際規格をベースに、ブランド間で仕様が標準化されているためです。
国際規格とは、国際標準化機構（ISO）、国際電気標準会議（IEC）、国際電気通信連合（ITU）の公的規格を指します。
国際ブレンドのクレジットカードは磁気ストライプの位置やICチップの貼付位置、データ仕様などさまざまな仕様が国際規格に準拠しています。

また、カード番号も国際規格であるISO/IEC7812に準拠しており、頭1桁は産業識別子として産業ごとに割り当てられております。
例えば、1桁目が「1」から始まる番号は、航空業界となります。

クレジットカードは世界中で利用できる決済手段

クレジットカードを管理する国際ブランド会社は、世界中でデータのやり取りや精算を行えるネットワークを持っているため、加盟店であればどこの国でも利用することが可能です。
クレジットカード導入を検討している事業者は仕組みについて知っておきましょう。